成年後見・民事信託
成年後見制度について
あなたのご家族の老後の財産管理に、不安はありませんか?
ご本人の記憶力や判断力が衰えてくると、自分の財産を適切に管理することができなくなったり、また、悪質な訪問販売により、必要のない物を買わされるなどの被害に遭う可能性があります。
認知症などで、物事を判断する能力が十分でない人のために、後見人が支援する制度が「成年後見」です。
最近よく耳にするようになった「成年後見」という言葉。
「後見」というのは、文字どおり「後ろから見守る」ということですが、一般には分かりづらい制度ではないでしょうか。
成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」の2種類があります
法定後見
家庭裁判所が、ご本人の判断能力が不十分であると認めた場合に、その判断能力に応じて、法定後見人(成年後見人、保佐人、補助人)を選任します。
法定後見人が、財産管理や身上監護を代わりに行うことにより、ご本人を法律的に保護し支援するための制度です。
任意後見
ご本人の判断能力がしっかりしているときに、後見人予定者を自ら専任し、後見の内容・報酬・自分の希望などを話し合って契約し、将来判断能力が不十分になった際に効力が発生し、後見を開始する制度です。
成年後見(法定後見)
家庭裁判所が、ご本人の判断能力が不十分であると認めた場合に、その判断能力に応じて、法定後見人(成年後見人、保佐人、補助人)を選任します。
法定後見人が、財産管理や身上監護を代わりに行うことにより、ご本人を法律的に保護し、支援するための制度です。
成年後見人が、ご本人の身上監護や財産管理などの仕事をするときには、ご本人の考えを尊重し、ご本人の生活状況や健康状態に配慮して行うことになっています。
例えば、このようなときにご相談ください
母親が認知症と診断されました。
母親に代わって、預金をおろそうと、銀行に行って、母親が認知症と話したら、手続きが一切できなくなりました。
どうしたらよいですか・・・?
父親が亡くなりました。
その遺産相続の手続きをしたいと考えています。
法務局に相談に行くと、遺産分割協議が必要ですと言われましたが相続人の一人が認知症で、遺産相続の話し合いができません。
最近、一人暮らしの母親が、高額のものを次々と買ったり、不要なリフォーム工事を依頼している様子なので心配です・・・
知的障害、精神障害の子どもがいます。
自分が亡くなった後の我が子の将来が心配で・・・
法定後見の事例
ある日、田中さんのところに、田中さんの叔母にあたる佐藤さんのご近所の方から電話が掛かってきました。
「佐藤さんの家から悪臭がしますが、何かあったのではないですか。」という心配の電話でした。
佐藤さんは80歳一人暮らしで、10年前にご主人を亡くし、子どもはいません。
田中さんが急いで駆けつけてみると、家の中も庭もゴミの山で、暑くなるにつれてそのゴミが臭ってきているということが分かりました。
田中さんがやっと家に入ったところ、タンスの中から猫が3匹飛び出してきました。
猫の餌が、辺り一面に散らばっていて、佐藤さんは、自分のご飯も猫の餌も一緒にしている様子なのです。
さらに、床をゴキブリが走り回っていて、とても人間の暮らしとは思われないという状態でしたが、佐藤さんは平気な様子でした。
介護保険を使って、ヘルパーさんに掃除をしてきれいにしてもらったり、食事を作ってもらったり、お風呂に入ればいいと思って、介護保険の申請を勧めてみましたが、余計なお世話だとばかり、受け付けてもらえません。何だか話しが通じないのです。
しかも、部屋の中を見ると、紙幣や硬貨が、あちこちに散らばっており、このような状態では、預金通帳の管理もきちんとできているとは思われません。
田中さんは、どうにかしなければならないと感じたのですが、仕事は不規則なうえ同居する両親の面倒をみなければなりません。
途方にくれて司法書士の元へ相談に来たのでした。
田中さんには、家庭裁判所に行って「法定後見」の申立てを行うように提案しました。
しかし、成年後見申立ての手続きは、結構な労力と時間がかかる大変なものです。
例えば、必要書類をすべて揃えてから家庭裁判所に申立てをしなければなりませんが、かなりたくさんの資料の提出が求められます。
また、提出資料の中には、親族関係図、親族の同意書など、前提として戸籍や住民票の取得が必要な書類があります。
ご本人のための成年後見開始の申立て手続きを、スムーズに、迅速に進めていくためには、司法書士に相談しながら、あるいは、申立て書類の作成を司法書士に委ねて、成年後見の申立て手続きをされることをお勧めします。
法定後見制度の仕組み
法定後見の時間の流れ
よくあるご質問
成年後見(任意後見)
「任意後見制度」は、利用される方の「生活の質」ひいては
「人生の質」を高めていく制度です。
今、日本の社会は超高齢社会を迎え、また、核家族化が進み家族の規模が縮小してきており、おひとりさまが普通の社会になっています。
そして、おひとりさまは誰の身にも起こりうる状況になってきています。
だんだんと年を取って身体が衰え、さらに判断能力も衰えてきたときに、これまでどおりに暮らそうとすると、大変な思い煩いが起こることでしょう。
- 認知症になったとき、誰が気付いてくれるのか?
- お金は、誰に預けたら良いのか?
- 病院へ通院するときには、誰が付き添ってくれるのか?
- 施設に入るときには、誰がふさわしい施設を探してくれるのか?
- 葬儀や、納骨は、誰が手配してくれるのか?
- 長年にわたって築いてきた遺産を、誰に託したらよいのか?
あなたの人生の最後を、どのように締めくくるのか、法律的にサポートしていくことが任意後見制度の目的です。
お元気なうちに任意後見人を選んで、任意後見契約をして任意後見人に、あなたの「財産管理」と「身上監護」を託しておくことにより、「思い煩い」から解放されて、落ち着いて、安心して暮らすことができるようになります。
成年後見を利用するためのよきガイドとして、青山司法書士事務所をお役立てください。
例えば、このようなときにご相談ください
身寄りがいません。
判断能力が衰えても自分らしい生き方がしたい・・・
知的障害、精神障害の子どもがいるが、自分が亡くなった後の我が子の将来が心配です・・・
任意後見は、判断能力がしっかりしているときに、後見人予定者を、自分で選んでおく制度です。
後見人予定者と、後見の内容、報酬、自分の希望などを話し合って、公正証書で契約をします。
任意後見の時間の流れ
任意後見監督人選任見守り契約終了
死後事務委任契約
よくあるご質問
民事信託(家族信託)
認知症対策に「民事信託(家族信託)」という方法があります
民事信託とは、ご本人の財産を信頼できる家族に託して、自分の代わりに管理してもらう契約のことで、法律的には「委託者」が財産の管理・処分を、「受託者」に託することによって、「受益者」のために財産の管理・承継を実現する制度のことです。「委託者」が「受益者」を兼ねる場合もあります。
成年後見制度より自由度の高い「民事信託(家族信託)」
認知症になると判断能力を失ったとみなされて、金融機関の窓口での対面取引は原則として応じてもらえなくなり、預貯金を引き出すことができなくなります。
家族が、ご本人の暗証番号を使ってATMから預金を引き出すことは、本来はしてはいけないことです。
もし、どうしてもお金が必要になったときには、家族などが家庭裁判所に申し立てて、ご本人に代わって財産を管理したり、老人ホーム入所契約の手続きをしたりする「成年後見人」の選任をしてもらう必要があります。
成年後見人を選ぶのは、家庭裁判所です。家族が成年後見人になれればいいのですが、家庭裁判所の判断で、弁護士・司法書士・社会福祉士など専門家を選任するケースもあり、専門家への報酬は月数万円かかります。
また、成年後見人の役割は、認知症になったご本人の財産や日々の生活を保護することですので以下のような事はできなくなります。
相続税は、遺産を相続した家族が納めるものなので、ご本人の保護とは関係はないというのが家庭裁判所のスタンスです。
- 相続税を節税する目的で、ご本人の財産を、子供や孫に生前贈与することはできなくなります。
- 相続税を節税する目的で、所有する土地に新しい賃貸アパートを建てることはできなくなります。
さらに、いったん成年後見人の選任の申し立てを行った後は取り下げはできません。成年後見制度は「後戻りができない制度」なのです。
そこで、民事信託ならご本人の財産をもっとうまく管理できるという目的で、信託法が改正され成年後見制度よりも自由度が高い「民事信託(家族信託)」ができました。
民事信託(家族信託)の特徴
民事信託により、ご本人の健康状態や判断能力の低下に影響されずに、受託者が財産を管理することでき、認知症による資産凍結対策になります。
お元気なうちから民事信託を事前に組んでおくことで、ご本人が認知症などにより判断能力が衰えたときにも、入院費用の支払いや施設入所費用の支払いなど、受託者がご本人に代わって財産を管理することができます。
民事信託の事例
青木さんは、81歳で一人暮らしをしています。
夫は、数年前に亡くなりました。
資産は、賃貸アパートと自宅不動産の他に、預貯金が5000万円ほどあり、収入は年金と賃料収入です。
青木さんには、長男の太郎さんと二男の次郎さんがいます。
最近、青木さんのところに、高額商品を売りつけようとする訪問販売業者や、リフォーム業者が来訪するようになりました。
太郎さんは、そのことを大変心配しています。
このケースの場合、青木さんがお元気な場合には任意後見制度か民事信託による財産管理のいずれかを選択して利用することが考えられます。
既に青木さんの判断能力が衰えている場合には、法定後見制度の利用を検討することになります。
民事信託(家族信託)と成年後見制度との比較
開始時期
| 民事信託(家族信託) |
ご本人がお元気なうちから、受託者がご本人に代わって財産を管理することができます。
ご本人の判断能力がしっかりしている場合には、例えご本人の体力や気力が衰えてきて、賃貸アパートの管理や預貯金の管理ができなくなったとしても、成年後見制度を利用して財産を管理してもらうことはできません。 |
|---|---|
| 成年後見制度 |
ご本人の判断能力が衰えたときに、法定後見が開始します。ご本人の判断能力が衰えたときには、民事信託の契約や任意後見契約を締結することができないため。 |
家庭裁判所への報告義務
| 民事信託(家族信託) |
家庭裁判所への報告は必要ありません。
家庭裁判所への報告は必要ありません。 したがって、受託者は管理財産については、預金や現金の出納帳を作成し、領収書も保存しなければならないことは、成年後見制度を利用する場合と変わりありません。 |
|---|---|
| 成年後見制度 |
成年後見人の後見事務について、家庭裁判所に定期的に報告しなければなりません。
この報告は、「領収書の保存」、「預金出納帳や現金出納帳の作成」、「後見事務報告書の作成」、「収支予定の作成」などかなり大変なものです。
成年後見人の権限行使は、ご家族にとってではなく、ご本人にとってメリットがあることに限られます。 |
民事信託(家族信託)の限界
成年後見制度による補完が必要
民事信託の受託者には「身上監護権」がありません。
受託者の権限に基づいて、ご本人の入院手続きや施設入所手続きをすることはできません。
ご本人に代わって、施設入所契約や介護契約の締結などの身上監護を行う必要がある場合には、成年後見制度を利用して成年後見人として身上監護権を行う必要があります。
遺言による補完が必要
相続発生時の遺産全てを生前の信託契約で網羅しておくことができません。
主たる遺産については、民事信託契約により遺産の承継先を指定しておくことができますが、民事信託契約を締結するときに指定できなかった財産については、民事信託契約とは別に遺言書を作成して、主たる遺産以外のすべての遺産の承継先を指定しておく必要があります。
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